ただの「健康診断」で終わらせない!従業員が輝く「健康経営」の第一歩

<健康経営> ~健康な職場づくりについて~
近年、ビジネスの現場で頻繁に耳にするようになった「健康経営(ウェルビーイング経営)」という言葉。「従業員の健康管理」というと、これまでは「年に一度の健康診断」や「ストレスチェック」といった法令遵守(守り)のイメージが強いものでした。
しかし今、求められているのは「健康管理を経営的な『投資』と捉える」という攻めの姿勢です。
今回は、なぜ今、健康な職場作りが必要なのか、そして明日からできる小さな一歩について考えてみたいと思います。
なぜ「健康な職場」が最強の戦略なのか?
従業員が心身ともに健康であることは、個人の幸せだけでなく、組織に計り知れないメリットをもたらします。
- 生産性の向上(アブセンティズム・プレゼンティズムの解消)
- 欠勤(アブセンティズム)だけでなく、出勤はしているものの不調でパフォーマンスが落ちている状態(プレゼンティズム)を防ぐことで、組織全体の成果が底上げされます。
- 人材の定着と採用力強化
- 「人を大切にする会社」というブランドは、優秀な人材を引き寄せ、離職率を低下させます。
- コミュニケーションの活性化
- 心に余裕がある職場は、自然と会話が生まれ、新しいアイデアやイノベーションの土壌となります。
「健康経営」を支える3つの柱
健康な職場作りは、例えば・・・ジムに通う費用を補助することだけではありません。以下の3つのバランスが重要です。
1. 身体の健康(フィジカル)
運動不足の解消や食事への配慮はもちろん、「睡眠」と「休息」を正しく取れる環境作りです。「休むことも仕事の一部」という文化を醸成できるかが鍵となります。
2. 心の健康(メンタル)
ここでキーワードになるのが「心理的安全性」です。ミスを報告しても責められない、困ったときに「助けて」と言える。そんな安心感がある職場では、過度なストレスが軽減され、メンタルヘルスの不調を未然に防ぐことができます。
3. 職場環境とつながり(ソーシャル)
孤立は健康の最大の敵です。業務以外の雑談(スモールトーク)が許容される雰囲気や、互いに感謝を伝え合う仕組みは、帰属意識を高め、心の健康を支えます。
明日からできる「小さな一歩」
いきなり大きな制度を変える必要はありません。リーダーや担当者が明日から始められるアクションがあります。
- 「挨拶+一言」の実践
- 「おはよう」だけでなく、「今日は顔色がいいね」「昨日は遅くまでありがとう」など、相手に関心を持っていることを示す一言を添えてみましょう。
- 「立ち会議」や「ストレッチタイム」の導入
- 長時間の座りっぱなしは万病の元です。会議を立って行ったり、15時に全員で軽く伸びをする時間を設けたりするだけでもリフレッシュになります。
- トップ自らが「早く帰る」「休暇を取る」
- 上司が休まないと、部下は休めません。リーダーが率先してオン・オフの切り替えを見せることが、最も効果的なメッセージになります。
おわりに:健康は「目的」ではなく「基盤」
健康経営の最終的なゴールは、従業員一人ひとりが生き生きと働き、その結果として企業の業績が上がることです。
健康は全ての活動の「基盤(土台)」です。
まずは、「最近、眠れていますか?」と隣の席の人に声をかけることから、健康な職場作りを始めてみませんか?