ドローン物流ビジネスの社会実装

 「買い物弱者」という言葉をご存知ですか?過疎地を中心にインフラが整っていない地方で課題とされている問題です。人口減少や高齢化が進みサプライチェーンが途切れがちな地方では、一般家庭へ商品が十分に供給できなかったり、そもそも離島や山間部では小売店までの距離や交通インフラの関係上、買いものをするだけで大仕事という事例さえあります。そんなサプライチェーン断絶の危機にドローンが注目されています。

 サプライチェーンの断絶はお客様にとっても他人事ではありません。どれだけ魅力的な商品をつくっても届かなければ不良在庫となってしまうからです。高齢者や地方向けの商品を思いついたのに収益化できない!となる可能性さえあります。食品の仕入れを始めとした問題でも、出荷から受け取りの問題がありますね。

 しかし、ドローン配送やドローンとトラックを組み合わせたスマート物流が広まれば、これまでターゲットにならなかった新しい市場が開拓されたり、地方の隠れた名産品を全国に販売する道も見えてきます。

 日本は現在、「操縦者の見えない所まで産業用ドローンを飛行させられる」体制構築に向けて動き出しています。官民協議会で作成されている「空の産業革命」に向けたロードマップでは、2023年から段階的に人口密度の高いエリアでもレベル4飛行を実装していく計画が記されています。

 一般的な宅配スキームと比較すると、まだまだコスト面などで課題を残していますが、局所的な活躍においては期待が持てる段階となってきました。ドローン以外にもバスやタクシーで貨物運搬を連携させる混載、定期ルートの自動運転車両での出荷支援など全国で取り組みが続けられています。物流インフラの整備に注目しながら新たな商機を逃さないようにしたいところですね。

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