支援物資は送り方に工夫をしよう

 被災地への支援に関連した情報が連日ニュースで流れていますね。道路復旧も進み、これから続々と支援物資が届けられるのかと思った時、倉庫管理を専門にする者として業界外の皆様へお伝えしなければならない情報があります。少しでも支援物資を送ろうとお考えの方の参考になれば幸いです。
 結論から申し上げます。物流業界外の方へ共有したい知識は「仕分け・検品作業の存在」とその対策です。
 当たり前のことですが、支援物資は使用されて初めて効果を発揮するものです。食品なら被災者の胃に入らなければ意味がありませんよね。
 そこで必要になるのが、支援物資の入ったダンボール箱等の検品や仕分け作業です。オチまで言っちゃうと「支援物資を送る際には、ダンボール箱の中身を統一して箱の外から中身が可能な限りわかるよう表記することで、被災地のスタッフの負担を大幅に減らせます」という呼びかけです。

 仕分けや検品の例をあげるなら「Aという箱には乾パンが10個入っていて、消費期限は4月まで」という情報を保管側で確認し「Bという集積場所のCというエリアに保管」するという事になります。こうした情報を元に現地では「Xという場所の100人の避難者には、YのダンボールとAのダンボール10個。飲料水10本入ったダンボール30個送ろう!」と計画してトラックを手配したり、他の避難場所に送る支援物資と同じトラックに乗せられないか検証するわけです。あくまで我々が普段やっている物流業務と同じプロセスであるならば…ですが。
 被災地のリソースは限られたものであり、その中で迅速な対応に迫られます。そこで「あのダンボールには何が入ってたっけ?」「100人分の食料を送りたいけど、どこにあったっけ?」なんて、集積地でバタバタしていてはリソースと時間を大幅にロスしてしまうことになります。これが望ましくないのは皆様ご理解いただけますよね。
 偶然、ニュース映像で民間からの支援物資を見る機会がありましたが「手元にあった空のダンボール箱に思いつく限りの物資を詰め込んで送ったのかな?」と想像できてしまうものでして、現地スタッフの苦労に、つい思いを馳せてしまいました。「被災地で大変な思いをしている人達の為に何かしたい!」という思いから起こってしまったアクションなのでしょうが、もう一歩、現地の人達の為にできることはあります。
 我々物流企業は普段、皆様から作業料や管理費用をいただいて仕分けや検品を行っていますから、こうした心遣いはその分だけ支援したとも言えるかもしれませんね。皆様の優しさが正しく被災地の人々に届くことを祈って、今回の呼びかけとさせていただきます。

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