置き配とセキュリティ
最近、置き配していた商品が盗難にあったニュースがありましたね。犯人は確保されましたが、置き配について思いを巡らせた方も多いのではないでしょうか。
「元々、置き配なんて盗まれるリスクと隣り合わせじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ここ数年で再配達問題対策として置き配が普及したとき、多くの方がセキュリティの課題を気にされていたと思います。ですが、日本においては1990年代から置き配の実績があったのはご存知でしょうか。
先駆者はFANCL(ファンケル)で、90年代からサプリメントなどの置き配を実施してきました。宅配ボックス以外にも自転車のカゴやガスメーターなど、ユーザーの指定した場所に置いておけるサービスです。盗難件数は確認されているだけで年間10件もない程度で、仮に盗難されても商品の保証をファンケルが行い、十分にビジネスが回っていたそうです。セキュリティコストをそれほどかけなくてもよかった訳です。
冒頭で紹介した事件については、置き配の一般化と経済状況の変化が物流の環境を変えたと見てよいでしょう。
日本はこれまで、置き配に於いて大問題となる可能性は低い国でした。しかし今後は、日本郵政が実施したような置き配保険が一般化したり、OKIPPA(オキッパ)が展開する暗証番号付き簡易受け取り袋の普及が進んでいくかもしれません。
なにより、信頼できるドライバーを集める能力が物流企業に求められるようになるかもしれません。ドライバーが不祥事を起こしてしまったとき、イメージダウンするのは物流企業だけでなく預かっている商品もセットです。「悪質なドライバーが運んでくるかもしれない、盗まれるかもしれない商品」なんて買いたくありませんよね?
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