今月2日、「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」が策定されたことは皆様ご存知ですか?国交省だけでなく経産省や農水省も策定に関わった、物流インフラを保護・維持していくためのガイドラインとされています。

 「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」において、岸田首相は物流2024年問題を目前に、6月上旬をめどに緊急に取り組むべき抜本的・総合的な対策を政策パッケージとしてとりまとめるよう言及していました。今回のガイドラインが、2024年問題の解決にどれほど貢献するのか注目が集まっています。

 物流センター関係者の間では、ガイドラインの中の「1.発荷主事業者・着荷主事業者に共通する取組事項」の(1)の②、荷待ち・荷役作業等時間2時間以内ル-ルが注目されているように思えます。契約にない荷役作業を行わせず、トラックドライバーの荷役作業と荷待ち時間を2時間以内、または1時間以内とするよう求めたものです。今後もこの時間には現場の状況に応じ調整が加えられていくのではと予想しています。

 大型トラックの作業を例に考えてみましょう。
 例えば、10t車に素手でティッシュ箱が詰まったダンボールの積み込みをした場合、ドライバーは積み込みだけで2時間を必要とすることがあります。意外に思われるかもしれませんが、これがなかなか大変なのです。もちろん慣れたドライバーであれば、もっと時間を短縮することも可能でしょう。それでも1時間以内は厳しいと思います。
 積み込みに加え、物流センターの待機列に並ぶ時間がプラスされます。「荷役作業と荷待ち時間の2時間」は長いと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、かなりギリギリです。これが2か所、3か所と立て続けになると、それだけで1日の労働時間の多くを消費してしまうことがお分かりでしょうか?

 もちろん対策はあります。素手で積み下ろしするのではなく、フォークリフトを使用したり、待機列でアイドリングしながら待たなくても良いように整理券を発行するといった手段は、出入りをスムーズにするノウハウとして全国で実施されています。フォークリフトを使用するだけで、大型車でも30〜40分で積み込みができます。
 積み下ろし作業をトラックドライバーに任せなくても大丈夫な体制を用意するという手もありますね。
 今後、こうした技術や設備に対する補助金、助成金配布が促進されるかもしれません。

 元々人手不足が課題視されてきた物流業界ですが、ついにリミットが設けられたと見るべきなのでしょうか。まだまだこうした手段が全国に広まりきっていないのが現状ですが、ガイドラインの存在が関係者へアクションを促せると想定した場合、ある流れを予想することができます。
 次回はその予想の一つについてお話しします。

荷待ち・荷役作業等時間2時間以内ル-ル|後編


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